沖縄県産柑橘のヒーリングアロマ効果を活用した機能性果汁飲料の開発

平成22年度沖縄県産業振興基金事業 地域産業技術活性化・高度化支援事業

  

科学の力で産業を興す

亜熱帯地域特有の天然資源の高度利用を図る

本研究事業では沖縄の貴重な天然資源である沖縄県産柑橘類の高度利用を図るための基盤形成を実施します。

写真提供:住秀和氏(沖縄農業新聞

沖縄にはシークヮーサーをはじめ、カーブチー、オートー、タロガヨなど、他の地域にはない独特な柑橘類が多数存在します。 近年、健康・長寿への関心が高まる中、シークヮーサーの機能性成分ノビレチンの効果がマスコミで取り上げられました。それにより、シークヮーサーは沖縄の機能性天然素材として全国的に認知されることとなり、多くの商品が開発されるようになりました。

 

また、柑橘類にはノビレチン以外にも病気の予防や健康維持に重要と考えられる機能性成分が多く含まれており、その成分や含有量は果実の種類や生育の時期などによって異なることが知られています。 

   

「沖縄県産柑橘のヒーリングアロマ効果を活用した機能性果汁飲料の開発事業」とは

2009年4月、OSTCは沖縄県産業振興基金の補助金交付を受けて、2年間の計画でこの事業に着手しました。 シークヮーサー、カーブチーといった沖縄県産柑橘の機能性成分を定量的に分析し、科学的なエビデンスを付与することで、素材の価値を高め、経済効果をもたらす原動力なるよう事業を推進しております。 さらに、亜熱帯沖縄が育む柑橘類の、本土にはない新規の機能性成分の存在も探求しております。 

事業体制

事業計画

事業概要

1.沖縄県産柑橘に含まれる機能性成分の分析~果汁・果皮~(琉球大学 農学部)

沖縄県産柑橘類のうち、11品種の果汁(果皮成分含む)に含有される機能性成分を、未熟期と収穫期について分析を実施しています。 また、ひろく機能性の根拠となる抗酸化値についても数値を把握し、今後の利用開発に寄与することを目的とし、実験を行っています。

 

分析対象はポリメトキシフラボノイド類(ノビレチン、タンゲレチン、シネンセチン、ナツダイダイン、ヘプタメトキシフラボン、ヘキサメトキシフラボン)、フラバノン類(ヘスペリジン、ナリルチン、ナリンゲニン、ネオヘスペリジン)、フェネチルアミン類(シネフリン)、リモノイド類(リモニングルコシド)ならびに銅イオン還元力を指標とした抗酸化値です。

 

2.沖縄県産柑橘に含まれる機能性成分の分析~果皮精油~(琉球大学 農学部)

沖縄県産柑橘の香り形成に寄与する果皮精油の成分組成をガスクロマト(GC)およびGC-MS分析により明らかにし、抽出法、収穫時期および系統における成分組成を比較することにより機能性果汁飲料の開発のための基本的な治験を蓄積することを目的とします。  

また、共同研究者が実施する沖縄県産柑橘の機能性成分の分析や評価、センサーによる味や香りの解析結果を用いて、沖縄県産柑橘の成分データベースを作成します。

 

3.沖縄県産柑橘果皮の機能性成分の薬効と安全性の検証~細胞レベルおよび動物実験レベル~(大分大学 農学部)

沖縄県産柑橘果皮が含有する機能性成分の薬理効果について、特にガンや炎症性疾患の原因となるNF-κB(※注)過剰活性化を抑制する機能を指標に、各種テルペン類の活性評価を行います。 さらにNF-κBを、培養細胞及びトランスジェニックマウスへの給餌試験により数値化・検証します。  

(※注)NF-κB(エヌエフカッパービー):免疫応答反応に働く様々な遺伝子群の発現を司る核内転写因子。 過剰な活性化はガンや炎症性疾患を誘発することが知られています。

 

4.柑橘香り成分を用いたヒーリングアロマ効果の検証(中村学園大学 栄養科学部)

沖縄県産果皮から抽出した精油及び試作品飲料の香り効果の評価を行います。

 

5.沖縄県産柑橘のヒーリングアロマ効果を活用した機能性果汁飲料の試作(沖縄大学)

沖縄県産柑橘の香りの研究データに基づき、試作品を開発しています。

<事業概要>
<事業概要>

主な活動報告

柑橘事業合同成果報告会開催

~沖縄県産柑橘利活用の新たな可能性を求めて~

2010年11月21日 沖縄レインボーホテル (那覇市)

本事業と、柑橘事業の成果活用を題材としたOSTCで進行中の  『科学技術コーディネーター育成事業』の取り組みの実績を発表しました。

 

特許出願 成果報告会

2010年10月19日 サザンプラザ海邦(那覇市)

大分大学・伊波英克准教授と琉球大学・和田浩二教授(他1名)の下記特許出願を機に成果報告会が開催されました。

 

【特許出願】
出願番号:特願2010-220486号 

タイトル:『ATL及びHTLV-1関連炎症疾患をターゲットとしたNF-κB亢進抑制剤及びその用途』
出願人:大分大学(伊波英克准教授、他1名)、琉球大学(和田浩二教授)()内は発明者 
 

報告テーマは、

「シークヮーサー果皮に含まれる新規機能性成分・βカリオフィレンが持つ抗炎症・抗腫瘍効果の検証」です。

 

報告会は、休憩なしの2時間という長丁場だったにも関わらず、和田先生と伊波先生のわかりやすいプレゼンテーションの効果で、身を乗り出して聴いたり、熱心にメモをとる光景も見られました。皆様最後まで熱心に聴講していただきました。

成果報告会配布資料
特許出願.pdf
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新聞記事

平成23年2月26日(土) 琉球新報 朝刊

シークヮーサー果皮の成分 内臓脂肪増加を抑制

大分大学・琉大など マウス実験で確認

大分大学医学部の伊波英克准教授、琉球大学農学部の和田浩二教授らは25日、シークヮーサーの果皮に含まれる「ベータ・カリオフィレン」という物質が、内臓脂肪の増加を抑える機能があることをマウス実験で確認したと発表した。内臓脂肪からは動脈硬化、心疾患、糖尿病合併症などを引き起こす物質が分泌されるため、伊波准教授らは、実験結果がヒトにも応用できれば、肥満に起因する生活習慣病の予防につながる可能性があるとして、動物実験やヒトへの応用に向けた研究を続けるとした。

平成23年2月26日(土) 沖縄タイムス 朝刊

シークヮーサーメタボ抑制効果 大分大・伊波准教授ら確認(マウス実験で)

 

 

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平成22年10月20日(水) 琉球新報 朝刊

「果皮成分 ATL制御」 シークヮーサーで確認                                        

 掲載内容の中で、「ベータ・カリオフィレンはゆずやカボスなど一部のかんきつ類にしか含まれていない」とありますが、ベータ・カリオフィレンはシークヮーサーにもゆず以上に含まれております。よって、上記文章は、次のように読み替えてください。
「ベータ・カリオフィレンはシークヮーサーや、ゆず、カボスなど一部のかんきつ類にしか含まれていない」

 

・ATLとは

ヒトレトロウィルスの一種・HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウィルス)が主に母乳を介して乳児期に感染し、約60年の潜伏期間を経て発症する極めて予後の悪い白血病で、毎年約1000人が発症しています。国内におけるHTLV-1感染者は約120万人で、九州・沖縄など南西部にほぼ5割の感染者が偏在しています。

 

 

平成22年10月21日(木) 沖縄タイムス 朝刊

香り成分 白血病を抑制 シークヮーサーの果皮に含有

 

 

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平成22年5月16日(月) 琉球新報 朝刊

シークヮーサー飲料「沖大などで試作品開発」

沖縄県産柑橘を用いた「機能性飲料」の開発も沖縄大学との共同研究により実施しております。 今回、その共同研究の成果がお披露目され、琉球新報等に掲載されました

本事業が以下の雑誌に特集として掲載されました。
産学官連携推進マガジン BIO GARAGE 2010.3  04
 「沖縄県産柑橘の高度利用を目指して」
 「化学で魅せる沖縄県産柑橘の魅力」 
  「柑橘類から広がる夢~食と健康への意識を変える科学」

 

参画機関

研究担当機関

琉球大学(平成21、22年度)

大分大学(平成21、22年度)

中村学園大学(平成21、22年度)

沖縄大学(平成21、22年度)

株式会社トロピカルテクノセンター(H21年度)

株式会社沖縄TLO(H21年度)

 

 

研究推進委員

(機関名のみ記載)

琉球大学

沖縄工業高等専門学校

沖縄県農業協同組合

株式会社沖縄県物産公社

株式会社沖縄TLO

株式会社トロピカルテクノセンター

沖縄県農業研究センター名護支所

大宜味村役場

財団法人沖縄県産業振興公社

成果報告書

平成21年度 報告書@財団法人沖縄科学技術振興センター

平成21年度 調査報告書@(株)沖縄TLO

        「沖縄県産柑橘商品のブランド確立に向けた知的財産および事業化調査」

平成21年度 共同研究報告書@沖縄大学、(有)沖縄地域ネットワーク社

        「沖縄県産柑橘のヒーリングアロマ効果を活用した機能性果汁飲料の開発」

 

※ 詳細については、お問い合わせ下さい。 (研究部 TEL:098-866-7500)

  eメールでのお問い合わせにも対応しております。    E-mail : info@subtropics.or.jp 

 

写真提供:住秀和氏(沖縄農業新聞

 

 

科学の力で産業を興す!

 

海洋危険生物による被害発生は、7月と8月に年間の6~7割が集中しています。ぜひダウンロードしてご活用ください。

『海の危険生物治療マニュアル』.pdf
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